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今日はチョイ早目の晩酌です(笑)。朝が早かったもんですから。
STのエンジンはチューンの余地が有る、と言うよりも今日のリハビリの先生のニュアンスではチューン素材としてかなりの潜在能力が有るって浅川さんが言ったと・・・・(バカ親父です)。 エーー。僕の少年の頃(水も滴る・・・誰も知らないもんねー)は、2ストと4ストのどちらが良いかの論争の真っ最中(楽しい時代でした。POPが聞いたら・・汗)。 当時、言われていた言葉。 『2ストのヘッドは只の蓋、4ストのシリンダーは只の筒。』 まあ、言い得て正しいかなと思っていた当時のピンキー少年。 今この言葉を思い出すと、2ストに関してはまあそんな物だろう。圧縮漏れさえ無ければ本当に只の蓋。 僕なりに色々なエンジンを見たけど2ストのヘッドで感心した事は無い(皆似たり寄ったり)。 で、4ストの只の筒。 4ストのチューンと言うとヘッドに感心が行くのが普通。OHCで考えるとバルブタイミングはヘッドのカムシャフト。 吸排気の要のバルブもヘッドに有る。吸排気の通路もヘッド。遂チューニングの目はヘッドに行き勝ち。まあ普通ですよね。 パワーの源はピストンの上下運動。此れに反論する人はいないと思う。このピストン、往復運動(回転運動よりも激しい動作条件)を強いられ、燃焼ガスにさらされる。 排気バルブと同じく高温に耐えなきゃいけないし、かと言って吸気の低温ガスにもさらされると言うなんとも可哀想な状態。 低温はピストンの材質には軽い条件だけども、問題は燃焼をまともに受ける。勿論とんでもない高温ガスに・・・・・・。 ピストンの材質はアルミが主成分の合金。アルミって高温にめっぽう弱い。鉄なら赤熱しても頑張るけど、アルミは赤熱する前に熔けちゃう。 燃焼ガスの温度、アルミの融点(熔ける温度)よりも高いので・・・・・・。 と言う事で、普通ならピストンが熔けてお終い。 って成らないのがエンジン。 ピストンの熱をどこかに逃がしているんですね。アルミは熱伝導がメチャ良いのでどこかに逃がせばセーフ。 この逃がしている場所、シリンダーです。 勿論素直に逃がしているのではなく、ピストンリングを介して。 つまりピストンの溶けちゃう熱を一手に受けているのがシリンダー。 ね、只の筒ではないでしょう(笑)。 シリンダーに伝わったピストンの熱はシリンダーの放熱フィン(空冷で考えます)で大気中に放出。 万事メデタシメデタシ。 まあ此れが一般のエンジンです。 で、チョット深く考えましょう。 ピストンから熱を貰うのはシリンダー内壁。放出するのは思いっ切り外側のフィン。 つまりシリンダー内壁で受けたピストンの熱をいかに素早く外周部の放熱フィンに伝えるか。凄く大事な仕事です。 これがスムーズに行かないとシリンダー内壁の温度が上昇。内壁の温度が高いからピストンからの熱を奪えない。結果ピストンの温度は上昇しアルミの限界点を突破・・・・。 昔のシリンダーは鋳鉄ブロック。鉄は熱伝導が今一。つまり内壁の熱を外に伝えるのが苦手。 ローパワー時代は此れでも済みました。ハンターカブもそうですしW1もそうでした。昔の英車(トラやノートンetc)も・・・。 高出力になるとピストンの受ける熱も半端ではない。オカアチャンのやきもちなんて比べるまでも無く・・・・・。 そう成るとオール鉄(鋳鉄)のシリンダーでは内壁の熱を放出し切れなくなって来たのです。 其処で登場、アルミシリンダー。熱伝導性は鉄の比ではなく、メチャ早く熱を表に伝えます。 熱を伝えるのは得意なアルミ。でもねー、摩擦にはめっぽう弱い。つまりピストンリングの高速擦動には耐えられない。 あっと言う間に磨耗します。 で、昔の人は考えた。ピストンが擦る内側だけ鋳鉄で作って、その外側をアルミにすれば・・・・。 チョット考えれば素晴らしい考え。でもトンでもない問題が・・・・・・・。 アルミと鉄では熱膨張係数が丸っ切り違う。 つまり熱でアルミは育つが、鉄は殆ど育たない。 二つの材料をキッチリ作っても(室温で)、エンジン始動、温度上昇、アルミは育つ、鉄は殆ど育たない。 二つの金属の間に隙間が出来ちゃうのです。 隙間が出来れば空気が入る。空気は熱伝導が一番悪い材質(だから断熱材に使われる)。 判りますよね。ピストンの熱を貰った鉄の熱を外側のアルミに伝えられない。 結果、オール鉄のシリンダーよりも熱を逃がせないシリンダーに・・・・。 エンジンの場合、空気が入らないでオイルが入る場合が多いですが、此れも金属よりも熱伝導が悪い。 つまり鉄の内壁を持ち、外部がアルミのシリンダーは、お互いの金属がピッタリと接していて(間に一切の不純物が無い)初めて狙いの性能になるのです。 最近知ったのですが、アルミと鉄の間にオイルが入らない様にOリングが入っているシリンダーが有るんですね。 ハッキリ言います、欠陥品(設計者は切腹モノ)です。 Oリングなんか要らない密着性が要求される所です。 ホント、オイオイ嘘でしょう、の世界なんです。 ですから、真っ当に密着していたシリンダーでも、一度でもオーバーヒートさせたシリンダーの再使用は駄目なんですね。想定温度を超えたのですから、アルミと鉄の間には一瞬隙間が・・・。 此れだけで、熱伝導はがた落ちです。 で、STのシリンダー(此処からが本題、長い前置きでしたね、笑)。 前身のボルディーは先の鋳鉄ライナーにアルミのシリンダー。 先に書いた問題を抱えたシリンダーです(オーバーヒートさせなきゃ大丈夫、と言う事はチューンエンジンでは心配)。 STのシリンダーはオールアルミ、鉄の内壁を持っていません。 じゃあ、磨耗は・・・? 内壁に特殊メッキ(10万キロ以上持ちます)が施されています。 つまり、オールアルミの放熱性を持ちながら、耐摩耗性は鉄以上。 安物STの面目躍如なんですね。 しかも、デザインからだと思うのですがシリンダーの外寸が大きい(SR並み)。 つまりアルミの肉厚が厚いのです。アルミは柔らかい金属です。締め付けトルクで変形し易い。 其れを防ぐにはタップリとした肉厚(STはチューンにも耐える肉厚、と言うか何を考えてあんなに厚くしたのか・・?)。 10万キロ以上持ってしまうシリンダー。しかも放熱が良くオーバーヒートに強い。チューンエンジンには最適なシリンダー(ノーマルにはオーバークオリティ、笑)。 問題は磨耗した時にボーリングが出来ないんですけど、パーツの安いスズキです。 ボーリング代+オーバーサイズピストン代でシリンダーが買えそう。 しかも現行車種ですからパーツの心配がまったく無い。 当分楽しめますねー。 PR |
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無題
あら、stってニカジルメッキしているんですか。
知りませんでした。 であれば、先に逝くのはヘッド関係かもしれませんね。 でも、ピンキーさんならその前に腰上だけでもと言いつつバラしていそうな気がします。
【2013/06/26 22:09】|
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TOMO [ 編集する? ]
ニカジルとは違うんですが略同等の性能(ニカジルよりは落ちる)を低コストでスズキが開発したメッキ法です(ニカジルの寿命は高過ぎてオーバークオリティ)。
略同時期にヤマハも開発に成功。 で、此処からが面白い。 ヤマハは早速旗艦のYZFR1に採用。 スズキが最初に使ったのはチョイノリ(笑)。 両社の体質が判りますよね。
【2013/06/27 06:23】|
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ピンキー [ 編集する? ]
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